iDeCo(個人型確定拠出年金)というと、資産運用、投資といったイメージから、なかなか手を出せない人もいるかと思います。

iDeCoには、拠出額が全額所得控除の対象となるため、所得税・住民税を軽減してくれる、という大きなメリットがあり、これを享受するためだけでも始める価値があります。

今回は、その効果がどの程度かを簡単にシミュレーションしてみます。

iDeCoの特徴

iDeCoの主なメリットは、

  • 拠出額が全額所得控除の対象となるため税金が減る
  • 運用にともなう利益が全額非課税になる

です。運用が分からなくても一つめの税軽減だけでもサラリーマンには十分なメリットになります。

一方で、デメリットとしては、

  • 原則として60歳まで引き出せない

という点が大きいでしょう。お得だから、と無理して拠出すると、いざという時に困ってしまうリスクがあります。余裕のある範囲内での拠出がおすすめです。

iDeCoに加入できる人・拠出限度額

iDeCo(確定拠出年金)は、人によって加入の可否・拠出限度額が決まっています。

  • 自営業者:6.8万円/月
  • 会社員
    • 企業年金がない:2.3万円/月
    • 企業型の確定拠出年金に加入*:2万円/月
    • 確定給付年金に加入:1.2万円/月
  • 公務員:1.2万円/月
  • 専業主婦・主夫:2.3万円/月

*マッチング拠出の有無や企業型確定拠出年金の規約によって、iDeCoに加入できない場合あり

iDeCoによる税軽減額のシミュレーション

今回はサンプルとして、35歳からiDeCoをはじめて、平均くらいの給与をもらっている人が、毎月1万円を拠出する場合、を例にとって計算をしてみます。

年齢別の平均年収

国税庁の民間給与実態統計調査結果(平成27年分)によると、年齢別の平均給与はこのようになっています。今回は、この平均通りに給与が推移する男性がiDeCoに加入したとして計算をしてみます。

年齢階層別の平均給与(国税庁 平成27年分 民間給与実態統計調査結果より)

所得税・住民税の税軽減額

先の収入の方が、35歳から毎月1万円を拠出したとすると、毎年の税軽減額を積み重ねるとこのようになります。累計で税軽減額の合計は約70万円になります。(2.4万円/年〜3.6万円/年)

iDeCoによる税軽減額の累計

この金額は、基本的に拠出額が多いほど、所得が多いほど、大きくなります。

補足:税軽減額の計算は、国民年金基金連合会 iDeCoガイドのかんたん税制優遇シミュレーションを利用

原則として60歳までは引き出せない、という制約をふまえて、余裕のある範囲でできるだけ拠出する、ほどにメリットが大きくなっていくということになります。

とりあえず、iDeCoの口座を開設して、元本保証型の商品で積立をする、というだけで得られるメリットですので、老後資金の積立のためには、一番に考えるべきものになります。

注意:税軽減額は個々の状況によって変動するため、あくまでサンプルです。同じ年収でもこの結果通りになる事は一切保証できないのでご注意下さい。また、受け取り時に課税が発生する場合もあるため、税軽減額の全てがメリットにならない場合もあります。

さらに資産運用もした場合のシミュレーション

運用利回り別の運用成績

毎月1万円を25年間、単純に積み立てるだけで、300万円にもなります。これだけでも十分に時間の効果を感じますが、資産運用をするとさらに複利&時間の効果が感じられます。

こちらが、毎月1万円を25年間、積立運用した場合の運用利回り別の評価額の推移です。

毎月1万円を積立運用した場合の運用利回り別の評価額

平均利回り1%(年率)というかなり堅実な運用をした場合で、約40万円の利益。平均利回り5%(年率)で運用できたとすると、300万円近い利益になり、総資産額が拠出した額の倍になる、という計算になります。(あくまで机上の計算なので、現実がどうなるかは全くこの限りではありません)

運用益も非課税なので、課税口座で運用した場合に徴収されてしまう譲渡益課税(税率約20%)がない、というのも大きなポイントです。

高いリターンを目指せばいい、というわけではないので注意

なお、投資の基本として、高いリターンを求めるほどリスクも高くなるので、5%の運用利回りを求める場合は、運用成績が大きくぶれる事は覚悟が必要です。

5%くらいのリターンを求めようとすると、リーマンショック級の事があると、あっさり資産が半額くらいになりかねません。

若いうちにそのような事があったら我慢して持ち続ければ良いですが、もう少しで60歳、というときにそんな事になったら目も当てられませんので、ご注意ください。リターンを求めるなら、それなりのリスク管理も必要です。

まとめ

サラリーマンにとって、税負担をいかに軽減するか、は実はとても重要です。

iDeCoというと、資産運用というイメージで、なかなか始められていない人もいるかもしれませんが、まずは元本確保型のもので積み立てるだけでも大きなメリットがあります。

医療費控除、生命保険料控除、住宅ローン控除など、様々な制度がありますが、iDeCoには節税を目的として利用するには最も手軽、と言えます。

加入資格があるのに、始めてない人は、是非始めてみてはいかがでしょうか?

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