S&P500に連動する低コストな投資信託が登場します。大和証券から、8/31付で信託報酬0.225%(税抜)の投資信託が設定されました。

有価証券届出書(内国投資信託受益証券)が提出されており、今回はそこに記載されている情報を元にして、低コスト版の投資信託の登場によって、S&P500に連動した積立投資にどのような影響があるのかを計算してみました。

S&P500への投資

iFree S&P500インデックスが登場するまで、日本でS&P500に投資する場合の選択肢としては、

  • 投資信託 → i-mizuho 米国株式インデックス
  • 米国ETF → SPY, IVV, VOO
  • 国内ETF → 上場S&P500米国株(1547), SPDR S&P500 ETF(1557)

がありました。

投資信託では、i-mizuho 米国株式インデックスしか選択肢がなく、信託報酬が0.6156%程度(税込)と、最近出ている他のインデックス型の投資信託と比べると高く、S&P500に連動した積立投資を行いたい場合に、ETFにするか投資信託にするかが悩ましいところでした。

iFree S&P500インデックスの登場

2017年8月15日付で、大和証券投資信託委託株式会社が、 iFree S&P500インデックスの有価証券届出書(内国投資信託受益証券)を提出しています。(EDINETにて検索ができます)

それによると、信託報酬が0.225%(税抜)というかなり低い手数料水準となっており、これでようやくS&P500に連動するインデックス投資がやりやすくなりそうです。

iFree S&P500の信託報酬

2017/9/9更新:マネックス証券、SBI証券、楽天証券にて販売中(iFree S&P500インデックス 取扱販売会社

iFree S&P500インデックス vs. ETF

シミュレーション条件

今回は、このようなコスト条件で、比較をしてみます。積立投資においては、ETFが現実よりも有利な条件にしています。

  • 毎年60万円の投資を20年間(計算上は、毎年一括購入として計算を簡単に)
  • 分配金は2%/年(税引き前)、値上がり率は5%/年
  • ETFの追加投資・再投資においては端数なく全額投資(実際にはまず無理なのでETF有利な条件)
  • 売却時に20.315%の譲渡益課税
今回の計算における条件(実際とは異なる可能性あり)
投資信託
(iFree S&P500インデックス)
ETF
(VOO)
運用コスト(年率) 0.243% 0.04%
売買手数料 ゼロ 購入時0.7%(売買手数料+為替手数料)
分配金の課税 米国で10%課税。
分配金は自動的に再投資され売却時まで非課税
米国で10%、国内でさらに約20%課税。
米国での課税分は外国税額控除で全額戻ってくると仮定

シミュレーション結果

iFree S&P500 vs. VOO

こちらがシミュレーションの結果になります。結果としては、わずかですがiFree S&P500インデックスで積立投資するよりもETFで積立・再投資した方が勝っています。

これは、

  • ETFは、分配金に対して都度課税が発生してしまうため、複利の効果が少し小さくなっているものの、手数料の差を埋めるまでは至っていない
  • 投資信託は、国内での課税が繰り延べられるため、複利の効果が大きくなり、手数料の差をかなり縮める結果となった

となっています。

今回は、ETFでは実際には無理な条件である、端数なしで追加投資・再投資ができる、を仮定していますので、このわずかな差は誤差レベルと言えるでしょう。

手数料の差が大きく縮まったことにより、手数料の低さよりも課税タイミングの影響が大きく出て、投資信託≒ETFとなっています。

2017/8/21訂正:公開当初、投資信託とETFの結果に対する考察が真逆になってしまっていました。投資信託>ETFと記載してしまっていましたが、投資信託≒ETFに記載を更新しています。お詫びして訂正します。

まとめ

バフェット氏も薦めるS&P500への投資ですが、これまで日本から投資する場合は、低コストな投資信託がなく、なかなか悩ましいものでした。

今回、iFree S&P500インデックスの登場で、状況は大きく変わり、手数料の差はあまり気にせずに投資信託で積立投資して放置しておけば良い、という環境が整いそうです。

海外株式に投資する際に、米国株式だけに投資すればいいのか?というあたりは考える必要がありますが、選択肢が広がったのは良いことだと思います。

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