2018年1月から、「つみたてNISA」が始まります。現行NISAよりも、非課税期間が長くなった分、年間の投資上限額は下がっています。両方同時には活用できない事になっているので、新制度が始まったらどちらかを選ぶ必要があります。毎年の投資額が「つみたてNISA」の上限である40万円/年を超える場合は、どちらを選んだらよいのでしょうか?

「つみたてNISA」と現行NISAの違いは?

「つみたてNISA」と現行NISAの主な違いは以下のようになっています。「つみたてNISA」の方が、投資対象・方法が限定されていますが、インデックス投資をしているのであれば、「つみたてNISA」の要件を満たしている場合が多く、どちらも選択肢になり得るはずです。野村證券の「つみたてNISA」の概要についてによると、各年において、「現行NISA」と「つみたてNISA」のいずれかを選択することが可能という事になるようですので、どちらを選べばいいのか、が悩みどころになりそうです。

つみたてNISAと現行NISAの比較(※2017年4月時点の情報を元に作成)
つみたてNISA 現行NISA
投資上限 40万円/年(定期/定額積立のみ) 120万円/年
非課税期間 20年 5年
ロールオーバー 不可
投資可能期間 2018年~2037年 2014年~2023年
投資対象 一部の投資信託等に限定 上場株式、投資信託等

年間の積立投資額が40万円を超える人はどちらを選ぶべき?

「つみたてNISA」の場合は、毎月約3.3万円が非課税枠の上限になります。例えば、毎月4万円をコツコツとインデックス型の投資信託を使って積立投資している場合、2018年からは「つみたてNISA」と現行NISAのどちらを選ぶべきなのでしょうか?オプションとして、

  • 現行NISAが終了する2023年までは全額非課税になるように現行NISAで毎月4万円を積立投資。2024年から「つみたてNISA」に切り替えて、毎月約3.3万円を「つみたてNISA」・約7千円を課税口座で積立投資する。
  • 「つみたてNISA」が開始する2018年から「つみたてNISA」を活用。2018年からずっと、毎月約3.3万円を「つみたてNISA」・約7千円を積立投資する。

の2パターンを考えます。現行NISAの制度が続く限り非課税枠を目一杯使っておいたほうが良いのか?「つみたてNISA」にしておいた方がお得なのかどちらなのでしょうか?

※本来であれば、iDeCo、ジュニアNISAなど他の非課税投資枠を使う事も検討しますが、「つみたてNISA」と現行NISAを分かりやすく比較するため、オプションを限定しています。

比較のための条件

  • 運用利回り(年率):4.0%
  • 運用開始年:2018年
  • 投資期間:25年間
  • 積立投資額:4万円/月
  • 投資対象:インデックス型の投資信託(分配金なし。全て非課税で再投資)

として、先ほどの2パターンをそれぞれ計算してみます。

なお、「つみたてNISA」は25年後まで使えるように延長されている、と仮定してあります。(非課税期間20年間は変わらず)

また、2023年まで現行NISAのパターンでは、2023年が6年目になるので2018年の投資分は全部ロールオーバーします。(年率4.0%・4万円/月だと、ロールオーバー分と2023年の新規投資分の合計が120万以内に収まります)

2023年まで現行NISAを続けた場合

現行NISAが終了する2023年まで現行NISAを使い、2024年から「つみたてNISA」に切り替えた場合の運用結果はこのようになります。運用益を非課税となる分と課税対象になる分で色分けしてあります。課税対象になってしまう分は売却時に約20%の課税が発生するので、25年後に売却しようとすると約80万円くらいが税金として持っていかれます。

現行NISA→つみたてNISAの場合の運用結果

最初から「つみたてNISA」を選んだ場合

2018年から「つみたてNISA」を選び、非課税枠からあふれる分を課税口座で運用した場合の運用結果はこちらになります。先ほどと比較して、課税対象になってしまう運用益が小さい事が分かります。25年後に売却しようとすると約40万円くらいの課税となり、先ほどと比較すると約40万円も税金がおさえられています。

最初から「つみたてNISA」を選択した場合の運用結果

2つのパターンの課税対象の運用益の比較

2つのパターンの差を分かりやすくするため、運用益のうちの課税対象となる部分だけを比較してみます。8年目くらいまでは、現行NISAを使っていた方が課税対象が少ないですが、9年目あたりから逆転してからはその差が大きく開いています。

運用益のうちの課税対象部分の比較

実は、冷静に考えるとこれは当たり前で、最初の方に投資した分ほど複利により25年後の運用益が大きくなります。5年間の上昇分までしか非課税にならない現行NISAと、20年間の上昇分まで非課税になる「つみたてNISA」では、課税対象になる運用益が大きく異なるのです。これこそが複利×長期投資の力です。

インデックス投資をしているなら「つみたてNISA」は早く始めて・長く続けるべし

結論としては、「つみたてNISA」の条件に合致するようなインデックス投信を使った長期投資を考えているのであれば、「つみたてNISA」は早くから活用すべき、という事になります。「つみたてNISA」は、投資対象・方法は限定されていますが、長期でのインデックス投資に適した制度です。早く始めて、長く続ける事で、制度のメリットを最大限に享受できるようになります。よく、現行NISAと「つみたてNISA」で非課税の投資枠の合計だけが比較されている事がありますが、この制度の本質はそこではありません。長期投資においては非課税となる運用期間が長ければ長いほど、得られるメリットが雪だるま式に大きくなっていく、という事がポイントです。

また、今回は計算を簡単にするために「つみたてNISA」で運用する分と課税口座で運用する分を同じ利回りとしましたが、複数のインデックスを活用して投資をしている場合においては、期待リターンが大きい投資先に対する分を非課税口座で運用し、期待リターンが小さい投資先に対する分を課税口座で運用するとさらに税金を抑えられる可能性があります。(あくまで、期待している通りに利益が出たら、ですが)

なお、繰り返しになりますが、「つみたてNISA」以外にも、ジュニアNISAやiDeCoなどの非課税の投資枠はあります。それぞれでメリット・デメリットはありますが、投資においては税コストをいかに最小限にするか、というのも重要な要素です。それぞれの特徴や制約ふまえつつ、何を使ってどう長期投資をするか、を工夫しましょう。

※全て個人的に調べた情報であり、正確性・完全性について保証するものではありません。他の情報ソース等も参照の上で、全ての判断は自己責任でお願い致します。何らかのトラブルや損失・損害等発生した場合、一切の責任を負いかねます。

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