複数の資産クラスのインデックスで運用していて悩ましい事の一つに、リバランスをするかどうか、があるかと思います。きちんとした理論も存在しているようですが、まずは実際の過去のデータからリバランスの効果を検証してみたいと思います。

リバランスとは

リバランスとは、分散投資をしている場合に、事前に決められた資産配分に合わせてポートフォリオを再調整する事です。

例えば、株:債券を50%:50%で運用する事を決めていたとして、それぞれの価格の変動によってそのバランスが60%:40%などに変動します。それを目標としている50%:50%に戻す事になります。この場合、値上がりした株を売って、債券を買う事になります。

資産配分が変動すると、期待リターン・リスクが変動してしまうので、それを事前に決めた範囲にコントロールする事ができます。

シミュレーションの条件

利用するデータ

今回は、国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券の4つの資産クラスのeMAXISの過去データを利用して検証をします。今は、eMAXIS Slimという手数料が安い商品が出ていますが、古いデータがないので、Slimではない方のデータを使っています。

それぞれの資産クラスの2010年以降の基準価額はこのようになっています。月初の基準価額の推移です。ここ数年で株式クラスの基準価額が大きく伸びているのがよく分かります。

eMAXISの基準価額推移

積立投資・リバランスの条件

今回は、それぞれの資産に均等に積立投資した場合で検証を行います。

  • 各資産クラスに毎月月初に10,000円ずつ積立投資
  • 売買にともなう手数料、税金等は一切考慮しない
  • リバランスは、毎月月初に実施
  • リバランスは、月初の基準価額を元に行い、受け渡しは同日に行われる&1円単位で売買できるものとして計算は簡素化

eMAXISには、4資産均等型、というのがあります。4資産均等での運用をしたいのであれば、それを選択するのが手っ取り早いです。今回の比較については、4資産均等型の過去データが少なかった(設定が比較的新しいため)ので、わざわざ手計算しています。

リバランスの効果は?

2010年から積立投資を継続した場合の、残高・利益率はこのように推移しました。国内株式・先進国株式が大きく伸びたあたりから、リバランスしない場合の方が伸びが大きくなっています。リバランスしない方がよかった、という結果になっています。

残高推移

利益率の推移

リバランスしなかった場合の、最終的なポートフォリオはこのようになっています。それぞれの価格変動によってバランスは崩れていますが、積立投資を行っていたため、ある程度ポートフォリオの比率が維持されている、とも言えます。

リバランスなしのポートフォリオ

リバランスは不要か?

今回、対象としたポートフォリオ・期間ではリバランスをしない方がリターンが大きくなる、という結果になりました。したがって、この期間だけを切り取ると、リバランスは損だった、という事になりました。

これは、対象期間の株式クラスが右肩上がりに大きく伸びていたため、リバランスの場合は、途中で利益確定を繰り返す事になってしまい、株式クラスの大きな伸びの恩恵に預かれなかったためです。

では、リバランスは意味がないのか?というと、そうではありません。一般的に、リバランスはポートフォリオのバランスを維持する事によって、リスクを抑える効果があります。今後、株式相場が大きく下落した場合、リバランスしていない方は、その下落の影響を大きく受けて資産を毀損する可能性が大きい事になります。

実際、今回の2つの価格変動を比較すると、やはりリバランスをした方が値動きがマイルドになっており、リスクが抑えられている事がわかります。

インデックス積立投資派はどうするべきか?

リバランスの一番の目的は、リスクの管理、です。

  • ポートフォリオを眺めた時にあまりにもずれていて許容できるリスクを越えている時
  • 一部の資産が異常な値上がりをしていると判断した時

くらいに検討すれば良いと思います。

また、今回は完全に無視をした、売却時の課税をはじめとしたコストの影響は非常に大きくなります。どの口座で運用しているかによってもリバランスの考え方は異なります。リバランスについての考え方は、ざっくりとこんな感じです。

  • iDeCoをはじめとした確定拠出年金なら、売買手数料がかからないならリスク管理のためのリバランスは推奨
  • NISAは売却時の税金はかからないが、非課税枠を無駄に失う事になるので、おすすめしない
  • 課税口座では、売買をともなうリバランスは、一部資産が異常な上昇をしている時などの利益確定で、課税コストを上回る効果が期待できる場合以外はおすすめしない

何れにしても、積立投資の場合は、積立を継続する事によって、ポートフォリオのバランスがある程度維持されるため、あまり気にしすぎる必要はないと思っています。ちょっとずれたくらいで神経質になって、あわわててリバランスする、といった行動は不要でしょう。

バランスが崩れるのが気になるのであれば、売買をともなうリバランスではなく、追加投資の金額を調整することでバランスを維持する方法をおすすめします。もしくは、最初からバランス型の投資信託を活用する、というのも良いと思います。

要するに、あまり細かいことは気にせず、コツコツ積み立ててればなんとかなると思います。

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