投資信託で毎月コツコツ積み立てて、ある程度まとまった金額が貯まった段階で、信託報酬の低いETFに切り替えて継続運用する手法をリレー投資と言います。
定期的な定額買付がやりやすい投資信託のメリットと、ETFの手数料が低いというメリットのいいところ取りを狙った手法です。まとまった金額にするのは、少額だと買付手数料の負担が大きくなる、というETFのデメリットをカバーするためです。
この手法が、本当に有効なのかどうか、賛否両論あるので出来る範囲でシミュレーションしてみる事にしました。

リレー投資の必要派・不要派それぞれの意見

必要派の意見

  • 長期投資では信託報酬のわずかな差が結果に大きく影響する
  • ちょっとでも、手数料が低いEFTを活用した方がお得

不要派の意見

  • 長期投資では、税金や買付手数料などのコストをいかに後ろ倒しにするかが重要
  • 投資信託で継続投資すれば、分配金は非課税で再投資に回せるので税コスト面でのメリットが大きい
  • 分配金に対して税金が発生するEFTでは途中での損が大きく、複利の効果を生かしきれない

シミュレーション

今回は、TOPIXに連動する商品を課税口座だけを使って運用する場合を想定しました。他の商品やNISAを活用した場合は、また別途。簡単にするために、少し計算は粗くしています。

前提条件

  • 税率: 20.315%
  • 配当利回り: 1.8%/年、値上がり率:3.0%/年
  • 積立投資額: 30,000円/月
  • 積立期間: 20年間
  • 投資信託→ETFへのリレーサイクル: 毎年末に値上がり分もまとめて全額ETF購入(端数は出ない想定)
  • ETFの分配金: 年度末の残高で一括計算。税引き後の分配金を投資信託の積立投資に回す(端数を少しでも複利効果を得るため)

投資信託とETFの手数料

投資信託はニッセイTOPIXインデックスファンド、ETFはiシェアーズTOPIX ETF(1475)を想定しています。信託報酬等の実質コストには、モーニングスターの数値を利用しています(目論見書の信託報酬+監査報酬等を足したもののようです)。

投資信託 ETF
買付手数料 0%(ノーロード) 0.1%
信託報酬等(実質) 0.21% 0.11%
信託財産留保額/売却手数料 0% 0.01%(金額が大きいため)

シミュレーション結果

税金の影響が非常に大きいので、20年間運用してから、最後に売却した時点で評価しています。

結果としては、投資信託のみの勝ち!ただし、その差は約2.4万円。ちょっと粗めの計算でこの差であれば、誤差みたいなものかも知れませんが、リレー投資は手間暇かけて頑張った割に勝てないのでかなり残念です。

総額 利益 利益率
リレー投資 10,713(千円) 3,513(千円) 48.8%
投資信託のみ 10,737(千円) 3,537(千円) 49.1%
▲24(千円) ▲24(千円) ▲0.3%

利益率の推移で見ても、ずっと投資信託のみの方が勝っています。最後に売却する時に、含み益から税金を一気に持っていかれるので、そこでかなり差が縮まりますが僅差で勝利です。やっぱり税金って大きいですね。

利益率の推移

結果に影響が大きいのは、税金と信託報酬等のコストでした。モーニングスターの実質コストは、目論見書記載のものを使っているだけなので、ETFの方が、実際よりも割高には見えますね。ETFの実質コストを0.07%として計算してみると、リレー投資が約1.4万円だけ有利になる、という結果になりました。20年後でこの差であれば、やらない方が良いレベルですね。

まとめ

  • リレー投資は手間をかけても、分配金にかかる税金のせいでほとんど意味なし(課税口座の場合)
  • 投資信託の信託報酬が、今後もまだ下がるようであれば、さらに結果は開きそう

という結果でした。やはり、個人的には、投資信託の定額買付をしてほったらかしておいた方が良いかな、と思っています。ETFの分配金を自分で再投資に回さないと複利効果が得られないので、この部分を勝手に確実にやってくれるという点だけでも投資信託にメリットがあると思います。

※あくまで個人的なシミュレーションによるものです。投資判断は全て自己責任でお願い致します。

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