老舗のお店の中には、創業以来ずっと継ぎ足しながら使っているタレ、を自慢の一つとしているところがありますが、実際にはどれくらい創業時の成分が残っているんでしょうか?
計算してみたいと思います。投資とは、全く関係ありませんが「複利の力」に似たものが感じられると思います。
創業以来継ぎ足しながら使うという事を数式化
- 1日あたりdのタレを消費して、毎日継ぎ足し
- タレを貯めるツボの容量をV
- n日目に継ぎ足すタレをdn
- n日目のツボの中身をVn
と表すと、N日時点のツボの中身はこのように計算できます。
創業から50年時点では、創業時のタレの成分は残っているのか?
創業から50年間、毎日ツボの中の秘伝のタレの3%を使っては継ぎ足す事を繰り返す場合を考えてみましょう。(計算が面倒なので、1年は365日で固定します)
創業時のタレは、
残ってる計算になります。
よくわからないくらい小さい数字になっていますが、簡単にいうと、分子1個も残ってないレベルです。創業時から、と言いつつ、物理的には創業時の要素は限りなくゼロに等しい、となります。
50年が長すぎるかというと、そういうわけでもありません。創業から何日くらいまともに残っているかというと、実はあっという間にゼロに近くなります。
こちらが、創業からの経過日数ごとの創業時のタレが残っている比率の推移です。残念ながら、1年後には創業当時のタレは既にほぼゼロです。
50年後の秘伝のタレに含まれている成分は?
では、50年間たった時点で秘伝のタレに含まれている成分の構成は?というと、こんな感じになります。

50年間経った時点のタレの成分
円グラフにしても無駄でしたが、今のタレの成分のほとんどは今年継ぎ足されたものです。去年継ぎ足された分ですら、ほんのわずか。
創業以来のタレか〜、と過去に思いを馳せながら口にしたタレのほとんどは今年のもの、となる残念な結果です。
まとめ
創業以来ずっと継ぎ足しながら使ってきた秘伝のタレは、今やほとんどが最近追加されたタレで出来ている、という少々残念な結果になりました。
わずか3%ずつ、と思われる少量の継ぎ足しでも、それを1年繰り返すだけでもほぼ全部が入れ替わるくらいになる、というのは意外な結果なのではないでしょうか?
創業以来継ぎ足しているという事よりも、創業以来のレシピ、が重要なのでしょう。(個人的には衛生面の方が心配です)
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