著名な投資家であるバフェット氏は、一般の人はS&P500でも買って放置しておけばよい、とまで言っていますが、いざ日本でS&P500に投資しようとすると、投資信託にするかETFにするかが悩ましいところです。今回は、運用コストの差が、どれだけの結果の違いにつながるのかを簡単にチェックしています。

日本でS&P500に投資するとしたら

日本でS&P500に投資しようと思ったら、選択肢としては

  • 投資信託 → i-mizuho 米国株式インデックス
  • 米国ETF → SPY, IVV, VOO
  • 国内ETF → 上場S&P500米国株(1547), SPDR S&P500 ETF(1557)

が候補になります。どれに投資すべきか、はまた別の機会に検証するとして、今回は「i-mizuho 米国株式インデックス」と「VOO」で運用した場合にどうなるのか?を簡単に見てみたいと思います。

2017/8/20追記:iFreeよりS&P500に連動する投資信託が、信託報酬が0.225%(税抜)で登場する予定です。S&P500の場合、投資信託の手数料の高さがネックでしたが、今後は手間をかけてETFで積立をする必要がなくなりそうです。
S&P500の積立投資にETFはもう必要ない!?iFree S&P500インデックスが登場

投資信託 vs. 米国ETF

それぞれを簡単に比較すると以下の表のようになります。

投資信託 vs. 米国ETF
投資信託
(i-mizuho 米国株式インデックス)
米国ETF
(VOO)
運用コスト(年率) 0.54% 0.04%
売買手数料 ゼロ 為替手数料+売買手数料
分配金の課税 米国で10%課税。
分配金は自動的に再投資され売却時まで非課税
米国で10%、国内でさらに約20%課税。
米国での課税分は外国税額控除で取り戻せる可能性あり
売買の単位 1円単位で購入が可能 約200ドルごとの購入

 

i-mizuho 米国株式インデックスの運用コストはモーニングスター社の実質コストを利用しています。

つい先日、バンガードがS&P500に連動するETFであるVOOの経費率を0.05%から0.04%に下げましたが、投資信託とは文字通りケタ違いに運用コストが低く抑えられます。
参考2017年バンガードETF™・米国籍投信経費率改定のお知らせ

投資信託とETFの売買における大きな違いは、運用コストの差異の他は、

  • 分配金の再投資における課税
  • 分配金の再投資のやりやすさ(投資信託は自動)
  • 定額買付の可否

となります。

今回のシミュレーション

今回の比較の目的は運用コストの差の影響を見てみることなので、ETFのパターンにおいては、

  • 分配金を全額再投資できる場合と、全く再投資しない場合の2パターンを両方出してみる
  • 定期的な買付は、投資予定額が全額買付できたものとする(端数は次の購入タイミングに回し続ければ良いので、誤差扱い)

として、比較をしてみたいと思います。

その他、シミュレーションの条件としては、

  • 毎年60万円の投資を20年間(計算上は、毎年一括購入として計算を簡単に)
  • 分配金は2%/年(税引き前)、値上がり率は5%/年
  • ETFの米国での課税分は、外国税額控除によって全額戻ってくる(投信は戻ってこない)
  • ETFの売買における手数料は、購入時0.7%(売買手数料+為替手数料)

としています。

運用コストは長期運用においてやはり重要

投資信託、ETF(分配金を全額再投資できた夢のようなケース)、ETF(分配金を一切再投資せずに現金で眠らせるケース)のそれぞれの運用益は以下のグラフのようになります。毎年60万円を20年間続けると、だいたい1千万円の利益が期待出来る事になっています。

この結果で意外なのは、投資信託とETFの再投資なしのケースの方が最終的な利益でほとんど変わらない、という事です。青とグレーの線がほぼ重なっています。

これは、手数料を0.5%も多く払うくらいなら分配金を再投資できないのとほとんど変わらない、という事になってきます(値上がり分はETFであっても複利の効果が出ています)。

今回のシミュレーションは、ETFであっても積立予定額を全額買付できる、という実際にはあり得ない計算になっているので誤差の範囲内とも言えますが、長期投資における信託報酬等の運用コストの重要性が改めてよくわかります。

まとめ

現状のコスト差においてはS&P500への投資についてはまとまった単位で米国ETFを買って、たまに分配金を再投資に回す、という運用スタイルの方が最終的な利益につながりそうです。ただし、今回のシミュレーションについては、

  • かなり簡易な計算にしているため、実際のETFの買付とは条件が異なる部分がある
  • S&P500への投資という低コストの投資信託が存在しないものを取り上げたものである

という点をふまえて考える必要があります。

また、実際の積立においては、

  • 投資信託の方が圧倒的に楽に確実に積立投資ができる
  • 投資信託は定額買付ができるのでドルコスト平均法により購入単価を抑えやすい
  • ETFの場合、金額指定での買い付けが難しい

という点も忘れることはできません。

投資信託の手数料はまだ下がっていく傾向にあると思われるので、手間をかけてETFで積立を行うべきかは微妙なところでもあります。個人的には、投資信託で積立をした方が楽なので、手数料の値下がりを期待しつつ投信積立を選択しても良いと思ってます。

どこかが圧倒的に手数料の低いS&P500の投資信託を出してくれませんかね。バフェット氏もおすすめ!と言って売り出せますし、需要はかなりあると思うんですが。

2017/8/6更新:計算の前提となる利回りを変更し、グラフ・コメントを修正しました(変更前は、わずかに、投資信託<ETF再投資なし、としてコメントしていましたが、投資信託≒ETF再投資なし、としています)

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